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  1. 山口県議会 2020-06-01
    07月03日-06号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 2年 6月定例会   令和二年六月山口県議会定例会会議録 第六号      令和二年七月三日(金曜日)  ────────────────────        議事日程 第六号      令和二年七月三日(金曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 第一号から第三号まで及び第五号から第十一号まで(質疑・議案第十一号採決)  第三 意見書案第一号から第三号まで  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第三号まで及び第五号から第十一号まで  日程第三 意見書案第一号から第三号まで                会議に出席した議員(四十六人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          猶   野       克 君                          篠   﨑   圭   二 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          秋   野   哲   範 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(一人)                          木 佐 木   大   助 君                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         小 松 一 彦 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       藤 田 昭 弘 君                    総合企画部長      平 屋 隆 之 君                    産業戦略部長      平 野 展 康 君                    環境生活部長      神 杉 さとみさん                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      福 田 浩 治 君                    商工労働部理事     梶 間   敏 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      松 岡 正 憲 君                    土木建築部長      阿 部 雅 昭 君                    会計管理局長      内 畠 義 裕 君                    財政課長        稲 垣 嘉 一 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        山 本 英 信 君                    教育長         浅 原   司 君                    副教育長        繁 吉 健 志 君                    公安委員長       香 川   敬 君                    警察本部長       片 倉 秀 樹 君                    代表監査委員      木 村   進 君                    監査委員事務局長    渡 邉 隆 之 君                    労働委員会事務局長   武 林 正 治 君                    人事委員会事務局長   松 本 道 夫 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        前 田 安 典 君                    事務局次長       吉 岡 達 也 君                    総務課長        原 田 和 生 君                    議事調査課長      柳 原 廉 均 君                    秘書室長        宮 本 優 蔵 君                    政務企画室長      白 井 雅 晃 君                    議事調査課長補佐    作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          賀 山 智 江さん                    主任主事        柏 村 奈緒美さん                    主事          高 尾 大 輝 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第三号まで及び第五号から第十一号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第三号まで及び議案第五号から第十一号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 坂本心次君。    〔坂本心次君登壇〕(拍手) ◆(坂本心次君) おはようございます。自由民主党の坂本心次でございます。 通告に従いまして一般質問を行います。 まず最初に、港湾の機能強化についてお尋ねいたします。 岩国・大竹コンビナート周南コンビナート、宇部・山陽小野田コンビナートなど、国内屈指の臨海産業集積地域を有する本県では、瀬戸内産業と一体不可分の関係である港湾施設についても、企業ニーズに応じた整備が進められてきたところです。 経済のグローバル化が進む中、本県を牽引する瀬戸内産業は、厳しい地域間競争や国際競争にさらされており、コンビナート間の広域的な連携に向けた取組などが進められているところですが、物流の効率化やコストの縮減などの企業ニーズを踏まえると、県内企業の競争力に直結する公共インフラである港湾についても、各港の特性やニーズに応じた施設整備を引き続き着実に進めることが肝要だと考えております。 私の地元である徳山下松港や宇部港においても、大型バルク船舶の入港を可能とするため、国際バルク戦略港湾として、下松地区における大水深桟橋や、徳山地区、新南陽地区、宇部港の航路・泊地などの施設整備が現在鋭意に進められているところであり、早期完成に向けてしっかりと取り組んでいただくよう願うところです。 一方、コンテナ航路の増便や取扱貨物量の増加によって、港湾物流の効率化やコスト縮減が図られることとなり、県内企業国際競争力の強化につながるため、インセンティブとなる港湾使用料の減免措置や外貿コンテナ航路をはじめとする定期航路の誘致など、ソフト面での対策にもしっかりと取り組むことが重要であります。 さらに、社会・経済情勢の変化に伴って、港湾利用に対する企業ニーズが多様化しており、特にコスト削減効果が大きく期待できる大型船舶の入港を迅速に進めるために、港湾手続の円滑化を望む県内企業の声は強いものがあります。 港湾施設の機能を最大限活用することにより、企業ニーズに対応した効率的な海上輸送を実現し、県内企業国際競争力を高めるためにも、官民一体で関係機関の調整や各種手続の円滑化などの取組を進めていただきたいと思います。 県には、港湾施設整備などハード面での取組はもとより、企業ニーズに対応したソフト面での取組も充実強化することにより、港湾の機能強化を図り、本県の活力の源となる産業力をより一層高めていただきたいと考えているところです。 そこでお尋ねをいたします。県は、県内企業国際競争力を高めていくため、港湾の機能強化に向けて今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、過疎地域における医療体制の確保についてお尋ねいたします。 県土の約五七%を占め、県人口の一三%に当たる約十八万人が暮らす本県の過疎地域は、現在、急速に進行する高齢化や人口減少により、多くの地域で高齢化率が五○%を超え、その高齢者の生活を支える担い手不足も深刻化するなど、将来にわたる生活基盤の維持に不安が高まっています。 とりわけ、このたびの新型コロナウイルスにおいて改めて実感したところですが、住み慣れた地域で健康で安心して暮らすためには、地域住民の身近なところで医療を確保することが何よりも重要であり、持続可能な体制の構築に向け、地域の実情を踏まえた取組を積極的に進める必要があります。 県ではこれまで、僻地の診療体制の確保やそれを支える医療機関との連携体制の構築、僻地の医療機関に勤務する医師の確保など、僻地の医療体制の確保や充実に取り組まれてきました。 しかしながら、県内には十八の無医地区や準無医地区が存在し、僻地の公立病院や診療所への医師派遣を希望する市町の要望にも十分応えることができていない状況にあります。 また、病気や体力の限界等を理由とした常勤医師の撤退により、非常勤体制の診療所が増加するなど、過疎地域での体制の確保は依然として厳しい状況にあります。私の出身地の鹿野地域でも、地域の医療を担う国民健康保険鹿野診療所常勤医師が不在となっており、地域の方々から体制の充実を求める切実な声が届いております。 過疎地域医療体制の確保は、地域社会を維持するためにも喫緊に取り組むべき課題であり、限られた医療資源の中で地域医療の確保や充実を図るためには、地域全体の医療を面で捉え、それを支える地域拠点病院を中心とした体制をさらに充実させ、地域全体での新たな医師の確保や派遣機能の充実などにつなげる必要があると考えます。 また、過疎地域で勤務する若手医師には、ベテラン医師に相談できる充実したサポート体制も欠かせないことから、5Gなど新たな技術も活用し、全県での体制の構築に向け、取組を進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。県では、地域の方々の健康で安心した暮らしを実現する、過疎地域における医療体制の確保について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、地域公共交通の維持・活性化についてお尋ねいたします。 少子高齢化に伴う人口減少をはじめ、マイカーの普及拡大、人々の移動ニーズの多様化などにより、地域の公共交通を取り巻く環境は厳しさを増しており、その利用者はますます減少する傾向にあります。 私の地元の周南市においても、鉄道の駅やバス停から一定の距離にある公共交通利用不便地区が熊毛地区や鹿野地区に広がっており、地元からは利便性の向上を求める声も多く頂戴しています。 こうした中、大道理をよくする会によるコミュニティータクシー「もやい便」の運営など、公共交通のない地区での住民の足の確保に向けたすばらしい取組も既に始まっており、こうした取組を各地に広げていくことも重要です。 また一方では、公共交通需要の増加要因ともなり得る状況も現れ始めています。 その代表的な例は、高齢ドライバーの運転免許の自主返納の動きです。相次ぐ高齢ドライバー交通事故を契機として、全国的に高齢者の交通事故防止の取組が加速化しており、今後も運転免許の自主返納の動きが拡大していくことが見込まれます。 地域公共交通の充実は、高齢ドライバーの皆様が自主返納を決心するための重要な要素であり、安心・安全な地域づくりのためにも、高齢者の移動手段としての公共交通機関の維持・確保はより一層重要となります。 このように、生活交通の重要な役割を担う地域公共交通機関が、現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、非常に苦しい状況に立たされています。 住民生活の足となる乗合バスにおいては、学校等の一斉臨時休校や密閉・密集・密接の三条件を避ける外出の自粛により、利用者が四割程度減少し、運送収入が激減しています。まずは、高齢者や学生といった交通弱者の生活の足をしっかりと確保しなければなりません。 さらに、観光面においても地域公共交通は極めて重要な役割を担っています。 最近では、団体旅行者よりも個人旅行者の割合が高く、個人旅行者は鉄道や乗合バスなどの公共交通機関などの交通手段を用いる傾向が高くなっています。 貸切りバスにおいては、インバウンド旅行者の減少や国内のスポーツ・文化イベント等の自粛により、予約のキャンセルが相次ぎ、三月以降、ほぼ仕事がなく、厳しい状況が続いています。 国や県では、新型コロナウイルス感染拡大の収束した時期を見計らって、これから観光による一大誘客キャンペーンなどを展開していこうとされていますが、いざ、県外からの誘客を図ろうとしても、バスやタクシーといった公共交通がしっかりしていなければ、実際に県内を移動する手段がなく、誘客による経済の底上げも絵に描いた餅に終わらないとも限りません。 このように地域公共交通の役割は、住民の移動手段のみにとどまらず、地域間の交流の活発化や観光等の様々な分野に効果をもたらすものであり、地域活力の維持・創出にも欠かせないものであります。こうした点も踏まえ、県においては、地域公共交通が抱える課題の解決に向けた積極的な取組を期待するものです。 そこでお尋ねいたします。こうした地域公共交通維持・活性化に向け、県は今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、鳥獣被害防止対策についてお尋ねいたします。 本県は、県土の七割を中山間地域が占め、農業の大半が中山間地域で営まれています。山間部にはイノシシや鹿などの野生鳥獣が生息しており、本県では、中山間地域を中心に毎年、野生鳥獣による農作物被害が多数発生しています。 私の地元周南市鹿野地域では、稲作を中心とした農業が営まれていますが、特に八月以降、水稲の成熟、収穫期にはイノシシによる被害が多く、農家の皆様の頭を悩ませています。昨年、収穫直前で被害を受けた農家の方からお話を聞く機会がありました。精神的なダメージも大きかったようで、大切に育ててきた稲を台なしにされ、農業を続けていく気力を失ったと嘆いておられました。中山間地域の農業を守るためには、鳥獣被害防止対策はまさに待ったなしの状況です。 県はこれまで、地域ぐるみの取組を推進するなど、市町と連携しながら、被害の軽減に向けて積極的に取り組まれてきました。その結果、被害額は平成二十二年度の約八億円をピークに、昨年度は四億三千六百万円まで減少していますが、なお高い水準にあります。農家の皆様に安心して生産活動に打ち込んでいただくためには、さらなる対策の推進が必要です。 現在、県内では、被害を軽減するため、広範囲にわたり侵入防止柵捕獲用わなの設置が進んでいますが、設置後は、対策の効果を高めるため、地域の皆さんによる適切な管理が求められています。 ところが、農業従事者の減少や高齢化の進行が著しい中山間地域では、これらの管理が大きな負担となっており、負担を軽減する仕組みづくりや効率化・省力化が期待される新たな取組の導入により、対策の実効性を高めることが必要となっています。 また、鳥獣被害防止対策はこれまで、イノシシ、鹿、猿を対象とした対策が中心でしたが、近年、各地でアライグマやヌートリアの目撃情報が相次ぎ、被害も拡大傾向にあります。ヌートリアによる被害は、水稲や野菜の食害だけでなく、水田のあぜ道を壊す被害も確認されており、また、繁殖力が高く、被害の急速な拡大も懸念されることから、早急な対策が求められています。鳥獣被害のさらなる軽減に向けては、これらの新たな害獣に対する積極的な取組も必要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。中山間地域の農業を守るためには、農業経営に大きな影響を及ぼす鳥獣被害のさらなる軽減が必要ですが、県は今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 次に、食品ロス削減の取組についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛やイベントの中止、飲食店の休業、営業時間短縮等の影響により、食品生産者、販売業者、飲食店など、食に関わるサプライチェーンのあらゆる場面で未利用食品の発生や食品の廃棄が起きています。 世界には、栄養不足の問題を抱えている人々が多く存在するにもかかわらず、国内においては、食べ残しや売れ残りなど様々な理由で、まだ食べられる食品が大量に破棄されていることに、私はこれまでも大きな矛盾を感じておりました。 我が国の食料事情を見てみますと、二○一八年度の食料自給率は三七%となっており、私たちの食料は海外からの輸入に大きく依存しています。その一方で、まだ食べられる食品が廃棄される、いわゆる食品ロスが、二○一七年度の推計によりますと全国で年間六百十二万トンとされており、これは国内でのお米の年間消費量に匹敵するそうです。このことは、海外から大切な食料を大量に輸入した上で、その食料を食べずに捨てているということであり、食品ロスの削減は私たちが真摯に取り組むべき課題です。 国連が二○一五年に採択した持続可能な開発目標SDGsには、二○三○年までに、生産、販売から消費に至るまでの世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させることが掲げられています。 国においても、二○一八年に策定された第四次循環型社会形成推進基本計画において、家庭系食品ロスの量を二○三○年度までに二○○○年度比で半減させるといった、食品ロス対策に関する数値目標が初めて掲げられ、昨年十月には、食品ロスの削減を総合的に推進することを目的として、食品ロス削減推進法が施行されるなど、食品ロスへの関心はますます高まってきています。 県においてはこれまでも、食品ロスの削減に向け、やまぐち食べきっちょる運動や県内におけるフードバンク活動への支援など、様々な取組を進めてこられたところですが、今後、家庭や事業者など社会全体で食べ物を無駄にしない意識の醸成を図るとともに、家庭や事業者から発生した未利用食品のさらなる有効活用を進めるなど、一層の取組が必要と考えます。 そこでお尋ねいたします。県では今後、食品ロスの削減に向け、どのように取り組まれるのかお伺いします。 最後に、女性と子供に対する犯罪防止対策についてお尋ねいたします。 近年の刑法犯の認知件数は全国的に減少傾向であり、本県でも平成十五年以降減少を続け、昨年の認知件数については、過去最少の五千百九十六件となっております。 一方、女性や子供が被害に遭いやすい、配偶者からの暴力事案(DV)や児童虐待事案は近年、全国的に増加を続けております。 特に今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による在宅勤務の増加や休校等により、自宅で家族と過ごす時間が長くなり、日々の生活が制限されたり、将来の見通しへの不安などから、家庭間でストレスがたまり、これが妻や子供への暴力の引き金になりかねない中、事案の増加や深刻化が懸念されております。 現在、全国で非常事態宣言が解除されておりますが、引き続きソーシャルディスタンスが求められており、学校や児童相談所は、これまでのように家庭訪問を繰り返し行い、虐待を疑われる子供たちの安全を確保するのは難しいことに加え、中には感染のおそれを理由に訪問を断る保護者もいるとのことです。 また、DVの被害者は、加害者が家庭内という身近な場所にいるため、支援団体などに助けを求めることができないと、悲痛な叫びも聞いております。残念ながら状況がすぐに改善できるとは思えません。 今後、感染拡大の第二波が来ると、再び犯罪が見えにくくなることが予想され、女性や子供を犯罪から守るための安全対策は急務であります。 求められる安全対策では、女性や子供自身の安全確保はもとより、関係機関との連携をこれまで以上に強化するなど、僅かなSOSを見逃さぬ体制を構築し、きめ細かな対策を進めていくことが何よりも重要だというふうに考えます。 よって、県警におかれましては、犯行が潜在化しやすい配偶者からの暴力や児童虐待事案に対して、犯罪の未然防止のため、関係機関と連携し情報の共有を図るとともに、的確な対応を徹底するなど、県民の安全・安心の確保に努めていただきたいと願うものであります。 そこでお尋ねいたします。新型コロナウイルスの影響により、生活への不安などからストレスを抱える人が増えており、配偶者からの暴力や児童虐待事案の増加、深刻化が懸念されておりますが、犯罪から女性、子供を守り、県民が安全・安心を感じて暮らせる社会の実現に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、県警本部長の御所見をお伺いいたします。 以上で私の質問は終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 坂本議員の御質問のうち、私からは港湾の機能強化についてのお尋ねにお答えします。 本県経済の屋台骨である瀬戸内沿岸の基礎素材型産業をはじめとする基幹産業が、グローバル時代の国際競争を勝ち抜くためには、物流の効率化やコスト縮減に寄与する港湾の機能強化を図ることが極めて重要です。 このため、私は、やまぐち維新プランの重点施策に、企業の国際競争力強化に資する港湾の機能強化を掲げ、国際バルク戦略港湾施策の推進や、各港の特性に応じた施設整備に、ハード・ソフト両面から全力で取り組んでいるところです。 まずハード面では、コスト縮減に寄与する国際バルク戦略港湾施策の早期実現に向け、徳山下松港と宇部港において、国や関係企業との連携の下、ケープサイズ級船舶による二港揚げを可能とする施設整備を計画的に推進してまいります。 また、コンテナ貨物の増加に対応するため、岩国港の臨港道路整備や三田尻中関港のコンテナターミナル再編整備など、港ごとに異なる企業ニーズを踏まえ、物流の効率化に資する施設整備を着実に進めてまいります。 一方、ソフト面では、コンテナ貨物量等の動向を的確に把握した上で、定期航路の港湾施設使用料等の減免措置を引き続き実施するほか、官民一体となったポートセールスを強化し、定期航路の拡大に取り組むこととしています。 また、大型船舶の入港を迅速に行うため、関係機関への手続の円滑化を目的とした大型船舶の入港に関するガイドラインを作成、周知することとしています。 私は、本県の活力源は強い産業であるという認識の下、国や地元自治体、関係企業との連携を図りながら、ハード・ソフト両面から、国際競争を勝ち抜くための産業基盤となる港湾の機能強化に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 過疎地域における医療体制の確保についてのお尋ねにお答えをします。 県民誰もが生涯を通じて、住み慣れた地域で健康で安心して暮らしていくためには、医療資源が限られた僻地においても、必要な医療が提供できる体制を確保することが重要です。 このため、県では、第七次山口県保健医療計画に基づき、僻地医療を担う医療従事者の確保に取り組むとともに、僻地医療を支える体制の充実を図っているとこです。 まず、僻地医療を担う医師の確保に向けては、僻地での勤務を要件とする医師修学資金の貸与や、自治医科大学卒業医師の僻地医療機関への派遣などに取り組んでいます。 また、僻地医療を支える体制の充実については、僻地診療所の医療設備や運営費への支援、僻地医療拠点病院による巡回診療、代診医派遣の経費補助などに取り組んでいます。 こうした取組に加え、今年度、僻地の医療提供体制のさらなる充実を図るため、その中心的な役割を担う僻地医療拠点病院の機能強化に努めてまいります。 具体的には、まず、医師専門人材紹介会社を活用して、僻地医療拠点病院などに医師を新たに確保し、医師が不足している僻地等にある医療機関に派遣する仕組みを構築することとしています。 また、県立総合医療センターと岩国市立美和病院を5Gでつなぎ、オンラインによる専門医の助言に基づいた診療の実証実験を行い、専門医のいない僻地の医療機関に勤務する若手医師の診療をサポートする体制づくりにも取り組むこととしています。 県としては、こうした取組を通じ、引き続き関係市町や僻地医療拠点病院等と連携・協力しながら、過疎地域医療体制の確保・充実に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 三坂観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 地域公共交通の維持・活性化についてのお尋ねにお答えします。 県民生活にとって不可欠な地域公共交通の維持・確保を図ることは大変重要であり、これまで、県としては、複数市町にまたがる幹線バス路線の運行を支援するとともに、中山間地域等におけるデマンド型乗合タクシー等、地域の実情に応じた公共交通の導入、運行を支援しているところです。 こうした中、地域公共交通活性化再生法が改正され、持続可能な運送サービスの提供を確保するため、地方公共団体が交通事業者等と連携し、最新技術等も活用しつつ、公共交通サービスの改善・充実を徹底することが必要とされています。 こうした動向も踏まえ、県では今年度、学識経験者、国や市町、交通事業者との連携の下、新たな地域交通モデル検討委員会を設置し、多様化する地域公共交通の課題解決に向けた今後の取組方針を策定することとしています。 策定に当たっては、地域特性等を踏まえた課題を整理し、MaaSなど新しいモビリティーサービスの活用や既存の公共交通サービスの改善等、様々な視点からの取組を検討することとしており、今後、この取組方針を各市町に示すことにより、地域における取組を促していきます。 また、地域公共交通は、観光面においても重要な役割を担っていることから、二次交通の利便性向上を図り、県内周遊を促進するため、バスロケーションシステムの導入を支援するとともに、今年度から順次、県内全ての路線バスでの交通系ICカードの整備を支援することとしています。 さらに、このたびの感染症の拡大を踏まえ、地域住民や観光客が安心して公共交通機関を利用できるよう、交通事業者が実施する感染予防対策ガイドラインに沿った感染症対策を支援することとしています。 県としては、こうした取組により、今後も国や市町、交通事業者等との連携を密にしながら、地域住民の日常生活や観光交流人口の拡大に不可欠な地域公共交通の維持・活性化に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 鳥獣被害防止対策についてのお尋ねにお答えします。 県土の七割を中山間地域が占める本県において、鳥獣被害は農業経営に大きな影響を及ぼす深刻な問題であることから、市町等と連携し、侵入防止柵や捕獲わなの整備など、防護と捕獲の両面にわたる対策を進めてきたところです。 こうした中、高齢化等により、整備された侵入防止柵等の管理が困難となる事例が増加するとともに、ヌートリアなど新たな有害獣による被害が拡大していることから、これまでの対策の実効性を高める取組に加え、新たな対策への対応が必要です。 このため、高齢者の負担軽減等に向けて、侵入防止柵などを効率的に管理する仕組みや、ICT等を活用した省力的な新技術の導入を図るとともに、新たな有害獣の特性を踏まえた対策を強化することとしています。 まず、効率的に管理する仕組みの導入についてです。 県では、平成二十九年度から、鳥獣被害の深刻な地域において、集落リーダーを中心に住民や団体等が一体となって侵入防止柵の設置等、被害防止対策を行う地域ぐるみの取組をモデル的に実施しているところです。 この取組が成果を上げていることから、モデル地域の集落リーダーによる出前講座や成果事例集を使った研修会の開催等により、全県的に普及させていきます。 次に、新技術の導入については、特に負担が大きい見回り作業等を軽減するため、奧山に設置したわなの捕獲情報を低コストで通知するシステムや、ICTにより電気柵の漏電を遠隔監視する技術など、これまでの実証成果を踏まえ、地域ぐるみの取組地区への重点的な導入を促進します。 さらに、新たな有害獣対策については、とりわけ生息域の拡大が懸念されているヌートリアについて、より効果的な捕獲に向け、他県とも緊密な情報交換を行いながら、行動特性に基づくわなの設置方法等について実証試験を実施します。 県としては、中山間地域においても、農家の方が安心して生産活動を継続できるよう、市町等と連携し、鳥獣被害防止対策に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 神杉環境生活部長。    〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 ◎環境生活部長(神杉さとみさん) 食品ロス削減の取組についてのお尋ねにお答えします。 本県の食品ロス量は、十七万人分の年間食事量に相当する約六万七千トンと推計され、削減には、食品を無駄にしない意識の醸成と定着に向けた社会全体での取組が重要です。 このため、県では、消費者、事業者、市町等からなる食品ロス削減推進協議会を推進母体に、やまぐち食べきっちょる運動を展開し、食べきり協力店の登録拡大などを通じた意識啓発や食べ残しの削減を図っているところです。 また、活用されずに保管されている未利用食品の有効活用を図るため、県内でのフードバンク活動を担うNPO法人フードバンク山口を支援しており、食品の寄贈を受けるフードバンクポストも十か所から四十か所に増えるなど、その活動は着実に広がっています。 こうした中、お示しの食品ロス削減推進法には、県民等への普及啓発やフードバンク活動への支援などが地方公共団体の責務として規定され、また、新型コロナウイルスの影響により発生する未利用食品への対応も必要となることから、県では、これらの取組を一層推進することとしています。 具体的には、まず県民等への普及啓発については、今年度新たに、もったいないの心をテーマとした県オリジナルの冊子を作成し、授業や環境学習、イベントなどに活用することで、全県的な食品ロス削減の機運を高めていきます。 次に、フードバンク活動の支援については、新たにコーディネーターを活動団体に配置し、食品製造業者等への働きかけを強化することにより、寄贈食品の増加を図っていきます。 また、今年度運用を始めた、食品の賞味期限や寄贈から提供までの移動過程などを一元管理するシステムにより、食品の安心・安全を確保し、寄贈者の拡大につなげていきます。 こうした取組に加え、法の施行に伴い、今年度策定する食品ロス削減推進計画においては、本県の目標や実情に応じた取組を定め、実効性のある施策を総合的・計画的に推進していくこととしています。 県としては、今後とも、市町や事業者、関係団体等と連携・協力し、食品ロスの削減に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 片倉警察本部長。    〔警察本部長 片倉秀樹君登壇〕 ◎警察本部長(片倉秀樹君) 配偶者からの暴力や児童虐待事案などの犯罪から女性や子供を守り、県民が安心・安全を感じて暮らせる社会の実現に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 県内では、本年五月末現在、配偶者からの暴力に関し警察に寄せられた相談の件数は、前年同期よりも減少しております。 他方、警察官の臨場の結果、虐待の疑いがあるとして児童相談所へ通告した児童数は逆に増加しており、現時点で県警察として、新型コロナウイルス感染拡大の影響と配偶者からの暴力事案や児童虐待事案との関連について何か明確なことを申し上げられる状況にはありません。 いずれにいたしましても、この種事案は家庭内で行われるケースが多く、認知や対応の遅れが即被害の拡大につながりかねず、県警察では平素から、男女共同参画相談センターや児童相談所、市町等の関係機関と情報交換を行うとともに、認知した事案については、警察署と警察本部が連携の上、危険性・切迫性を判断し、被害の拡大防止、被害者の安全確保に努めています。 今後、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛等の長期化により、生活の不安やストレスが増加し、本県においても、配偶者からの暴力事案や児童虐待事案の増加、深刻化も懸念されます。 実際、緊急事態宣言期間中、私の東京の留守宅では、妻からの息子とけんかしているとの通報が急増いたしました。 また、私が以前、周南警察署管内の中山間地域にある某駐在所を督励した際、ここは自然が多くて幸せなところですねとお話をいたしますと、婦人の方から、いえいえ、この辺りでは地域の方の目もありまして、かえって子供を外で遊ばせられないんですと、逆に子供がかえってストレスをため込んでおりますというお話も伺いました。大都市ばかりがクローズアップされておりますけれども、どこにでも存在する、まさに今そこにある危機なんだということを痛感いたしました。 県警察においては、ただいま議員から御指摘をいただきました、外出自粛等により、常に配偶者が一緒に家にいて、電話等による相談ができないなど、事案が潜在化する可能性、まさにこの点を念頭に端緒情報の把握に努めるとともに、関係機関と緊密な連携を図り、女性や子供の安全確保を最優先に迅速・的確に対応し、県民が安心・安全に暮らせる社会の実現に万全を期してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 有近眞知子さん。    〔有近眞知子さん登壇〕(拍手) ◆(有近眞知子さん) 皆様、おはようございます。自由民主党会派の有近眞知子です。 おかげさまで、県議になって一年がたちましたが、私が今強く感じているのが、思いを形にすることの難しさです。地域には様々な課題と思いがあり、私自身にも思いがあります。その中で、山口県の未来のために最もよい道を進んでいかなければなりません。県政を批判するのは簡単でも、実際に県全体の諸般の事情を総合的に勘案して、具体的に政策を立案、実現することは難しいなとつくづく感じております。 自分一人の力でできることは限られていますが、山口県をよくしたいという共通の目的に向かって、意見の違いを超えて一つにまとまり、県議会に与えられた役割をしっかりと果たしていけるようになりたいと考えております。 さて、先日、将来に希望を感じられるうれしいニュースがありました。島田川工業用水道建設事業がこのたび完了し、七月下旬から給水が開始されることになりました。私が政治の道を志す原点となった山本前知事が、山口県の未来を思い、まさに人生をかけて取り組まれた、産業戦略の一丁目一番地とも言える瀬戸内産業の再生・強化の中にあって、いち早く具体的な成果に結びついたものです。 光市の島田川の水源を工業用水に転用し、水不足が慢性化している周南地区の新たな工業用水を確保しようとするこの事業は、光市と周南市にまたがる事業であるため広域的な調整が必要であり、また国との綿密な調整も必要であったことから、まさに県だからこそなし得た画期的なプロジェクトであると思います。 今は、本事業の完了が周南地域の工業用水の安定供給、ひいては本県の産業力の強化につながっていくことを強く強く願うばかりです。県執行部には改めて、強い産業力なくして、明日の地域の活力は生まれないとの信念の下、産業戦略の取組を協力に推進していただきますようお願い申し上げます。 それでは、通告に従って質問させていただきます。 まず、柳井市をはじめとした県内のまちづくりの推進についてです。 私は、人口減少・高齢化、市街地の空洞化が進む中、地域の活力を維持するとともに、医療、福祉、商業等の生活機能を確保し、地域公共交通と連携して、まちづくりを進めることが重要であると考えています。 柳井市では、JR柳井駅周辺の工場跡地に広がる遊休地を活用したまちづくりを進めるため、平成二十五年にコンパクトなまちづくりモデル事業のモデル地区の決定を受け、その実現に向けて様々な取組を進めてきました。 こうした中、本年六月、この工場跡地には、県と市の誘致活動が実を結び、周南市の企業が半導体向けの先端材料を開発・製造する工場の進出を決定し、引き続き企業が生産活動の拠点として利用されることとなりました。 この企業の進出は、柳井市にとって久しぶりの明るいニュースで、地域の雇用創出や経済発展等に大きく貢献するものと期待する一方で、柳井市がこれまで取り組んできたコンパクトなまちづくりのともしびが、ここで消えるのではないかと強い懸念を抱きました。 柳井市は、柳井駅を中心とした中心市街地で、駅北に文教・観光・居住ゾーン、駅南に商業・行政ゾーンが形成されるなど、様々な都市機能がコンパクトに集積しており、まちづくりを進める上で好適な都市構造を形成しています。 しかしながら、柳井市の中心市街地においては、県内の各都市で中心市街地の空洞化の問題が深刻化しているように、各種施設の郊外移転、大型店の郊外展開等により空き店舗の発生など、いわゆる空洞化が進行し、その活性化対策は早急に取り組むべき重要な課題となっています。 私は、中心市街地活性化施策を推進するため、柳井駅周辺の空き地や空き家、空きビル等の既存施設を有効活用しながら、幼児・児童等の教育施設や高齢者の介護・福祉施設、障害者の就労支援施設等の再配置を行い、そこに鉄道やバス等の地域交通と連携して郊外から住民を呼び込むなど、多様な世代が集うにぎわいのあるまちづくりの実現に向けた取組を計画的に進める必要があると考えています。 こうしたまちづくりの取組を進めるためには、地域の実情に精通している市町や市民等が主体となって各種施策を展開していくべきと考えますが、地域交通や都市再生、中心市街地活性化等のまちづくりに関するノウハウや、様々な国の支援策に精通する県の積極的なサポートが必須であると考えています。 子供から高齢者など、全ての住民が活力に満ちて安心して暮らせるよう、柳井市をはじめとした市町や市民等が行うまちづくりに対して、県として、これまで培った経験を生かし、ハード・ソフト両面にわたり、今後どのように支援していくのか伺います。 次に、柳井地域の道路整備の推進についてお尋ねします。 私は、柳井地域は、柳井市をはじめ、岩国市や周防大島町、上関町、田布施町、平生町の二市四町が、それぞれの地域の持つ多様な強みや潜在力を十分に生かして、力強く連携しながら生活経済圏を構築し、地域交流の活性化や産業の振興、交流人口の拡大等を図っていくことが重要であると考えています。 しかしながら、その基盤となる道路は、半島・島嶼部特有の平たん地が少なく複雑な地形のため、岩国錦帯橋空港、玖珂インターチェンジ等の高速交通拠点へのアクセス道路の整備が大きく遅れ、また、地域内の幹線道路では、幅員が狭く、車同士の離合が困難な箇所や、歩道が未整備で歩行者等が不安を抱きながら通行している箇所が存在するなど、整備が急がれている箇所が数多くあります。 こうした中、先日、柳居議長をはじめ、国本議員、関係市町の首長、地元商工会議所等の皆様とともに、東部高速交通体系整備促進協議会として県への要望活動をさせていただきました。村岡知事からは、柳井地域の道路整備の推進に対して力強いお言葉を頂いたところですが、今回、一般質問の機会を頂きましたので、改めて、現在、柳井地域で進められている三つの道路整備について質問させていただきます。 一点目は、国道百八十八号についてです。 本年四月、柳井市南町から平生町宇佐木間の延長二・二キロメートルが柳井・平生バイパスとして新規事業化されました。地域の悲願であるこの道路の事業化は、執行部、県議会、地元関係者が一丸となって粘り強く訴えてきた結果であると考えており、柳井地域の県議会議員として、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。 このバイパスの整備により、渋滞の緩和や救急医療機関へのアクセス向上、物流の効率化、交通安全の確保等が図られることから、全線の早期完成を目指して事業を推進していく必要があります。 二点目は、柳井玖珂間を結ぶ道路の高規格化についてです。 高速交通拠点への重要なアクセスルートとなることから、実現に向けた検討を進めるとともに、急峻な峠区間では事故が多発している上、市街地内でも大型バスやトラックの通行に支障がある箇所があることなどから、早急に対策を講じる必要があります。 三点目は、県道柳井上関線伊保庄バイパスについてです。 住民生活や経済活動のみならず、国立病院機構柳井医療センターや周東総合病院への救急患者の搬送等の重要な役割を果たしていることから、段階的な開通を行うなど、早期事業効果の発現に向けて整備を推進していく必要があります。 そこでお尋ねします。柳井地域の発展のためには、道路ネットワークの充実強化が喫緊の課題であると考えますが、これら三路線の道路整備について、現在、どのような状況にあるのか、また、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いします。 次に、県産花卉の振興についてお尋ねします。 柳井市を中心とした本県東部の瀬戸内地域は、日照時間が長く、冬も温暖であるため、花の栽培に適しており、本県有数の花卉生産拠点になっています。しかしながら、二十年ほど前から全国的に花の需要が減り始め、また、最近では輸入花卉の品質も向上したことから、以前ほどの価格が維持できなくなるなど、生産農家にとって厳しい状況が続いています。 さらに、コロナウイルス感染症拡大に伴って、イベントや冠婚葬祭の自粛等により、三月以降、県産花卉の需要が大きく低下し、生産者はもちろん、花市場や生花店など、花を扱う多くの方々はかつてない苦しい状況に陥っています。 花は、ストレスの多い現代において、人々の心に潤いを与え、生活の豊かさを生み出すという点では生活必需品であり、私は従前から、花を日常品として捉えていただけるような取組を進めていくことが大切だと考えてきました。 コロナウイルス感染症拡大防止に官民挙げての取組が求められる今だからこそ、花の魅力をしっかりと伝えていかなければなりません。 そして、今日は、私自身も県産花卉の魅力を県民の皆様にお伝えし、少しでも需要の拡大につなげたいとの思いから、県産のお花を使用したコサージュをつけて登壇させていただいております。 さて、こうした状況の中、県においては、子供たちが花に触れる機会の創出と県産花卉の魅力のPRを目的として、五月十九日から、山口県花卉園芸推進協議会や花キューピット山口県支部の皆さんと連携し、旬を迎えている県オリジナルユリやリンドウなどの県産花卉を使ったフラワーアレンジメントを、県内の保育園や認定こども園、幼稚園で過ごす子供たちに届けられました。 私の子供がお世話になっている保育園にもこのアレンジメントが届いており、子供たちはもちろん、行動が制限された中で子供たちを見守ってくださる職員の方々、そして毎日送り迎えをする保護者の方からも感激の言葉が寄せられたようです。 こうした取組は、次の世代の主役となる子供たちが花に親しむ大きなきっかけとなると思いますので、ぜひ継続していただきたいと願っております。 一方、施設維持や光熱費など多額の経費を要する高コスト型の花卉生産を持続していくためには、ここ数か月の売上げの低下は大きな障害となっており、本県農業の大きな柱の一つである花卉振興を進めていくためにも、コロナウイルス感染症の影響を受けた生産者に寄り添った対応が必要と考えています。 そこでお尋ねします。コロナウイルス感染症の影響を受けた県内の花卉生産者が、これからも安心して生産に取り組むことができるよう、県としてどのような支援を展開していかれるのか、また、コロナウイルス感染症拡大に伴って低下した県産花卉の需要を高めていくため、今後どのような取組を進めていかれるのか、併せて御所見をお伺いします。 次に、若者や女性など新たな農業従事者の確保についてお尋ねします。 私は現在、柳井市で子育てや仕事を頑張っている女性と月に一度、意見交換会をしています。その中には、農業を頑張っている女性も数多くおられ、夫婦で都会から脱サラして移住し、後継者のいない農家の施設、ノウハウを受け継いで、初期費用を抑えて農業を始めた方もいます。農家とのマッチングや住まいの提供については、地元やJAの協力があったほか、軌道に乗るまでの支援金制度も利用されたと聞いています。 この方は、ベテラン農家のように早起きなどはできないけれども、田舎で生活していくには十分な、ある程度の収入が得られ、働き過ぎて疲れていたサラリーマン時代に比べ、時間や心に余裕があるとおっしゃっており、自然豊かな田舎で子供を育てられる暮らしを手に入れた幸せを実感されておられます。 私は、同じ子育て世代の母親として、彼女たちの思いに共感する一方で、この方のようにうまくマッチングが行われることはまれであり、子育て世代の移住就農希望者をしっかり受け入れるためには、行政と地域が連携した支援体制が重要だと考えています。 全国農業会議所が平成二十八年度に実施した新規就農者の就農実態に関する調査によれば、親元就農ではない、地域外からの新規就農時に経営資源の確保で苦労した点として、農地の確保、資金の確保、営農技術の習得、住宅の確保の四つが上位に上がっています。このうち農地の確保と住宅の確保については、事前の準備を進めていても、個人では解決できない難しい問題だと捉えています。 一方で、高齢を理由に離農を余儀なくされ、これまで守ってこられた農地や経営資源を誰かに活用してほしいという思いを持っておられる生産者が増えているとも聞いています。 こうした背景を考えれば、担い手不足で困っている農村地域と、都会から移住して農家を始めたい子育て世代の御夫婦をうまくマッチングさせることが、若者や女性など新たな農業従事者を増やすことにつながるのではないでしょうか。そして、都会在住で就農を希望する子育て世代の御夫婦に対し、具体的な成功例を伝えることで、本県での就農を検討する方が増えることにもなると考えています。 そこでお尋ねします。県では、子育て世代の若者や女性の新規就農に向け、離農される農業者の施設や農地、住居の提供などについて、どのようにマッチングを行い、新規就農者の確保につなげていこうとされているのか、御所見をお伺いします。 次に、子育て世代が安心して受診できる小児医療体制の確保についてです。 私は先日、一歳九か月になった娘の健診で、柳井市で唯一の小児科開業医の診療所にお伺いしました。その診療所では、時間や場所による患者の分離、院内の消毒の徹底など、万全の感染予防対策が行われており、安心して受診させていただきました。 ただ、今までなら混み合う待合室もすいており、待ち時間ゼロで診察室に通されましたので、医師の先生に理由をお尋ねしたところ、新型コロナウイルス感染症に伴う学校の休業や外出自粛で受診を控える家庭が増え、その傾向が緊急事態宣言解除後も続いているとのことでした。 全国的にも、先月、新型コロナウイルス感染拡大医療機関の経営がどの程度影響を受けているか日本医師会が調査したところ、今年四月の外来診療の患者による保険収入は、去年の同じ時期と比べて、病院では五%、診療所では一七%減となっており、特に診療所の小児科の保険収入は四割近く減と、まさに受診控え、小児科離れとも呼べる状況が生じています。 医療機関に診療報酬が入るのは申請から二か月後ですので、患者の落ち込みが激しくなった四月の影響は、二か月後の六月から出てきます。現在の状況が続けば資金繰りも厳しくなり、小児医療が担う医療機関の廃業や休止も起きかねません。小児科が身近な地域からなくなれば、地域で安心して子供を育てていくことも難しくなります。 子供の健康を守り、再度の感染拡大に備えるためにも、子育て世代が安心して小児科を受診できるよう、また、身近な医療機関が引き続き地域の小児医療を担っていけるよう、県として、医療機関における感染症防止対策や人員の確保、経営面を含めた幅広い支援を行う必要があるのではないでしょうか。 そこでお尋ねします。子育て世代が安心して受診できる小児医療体制の確保に向け、県としてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、災害時における難病患者の支援についてお尋ねします。 昨年、甚大な被害をもたらした台風十九号をはじめ、全国規模で大雨災害が相次いでいます。もはや災害は、いつでも、どこでも、誰にでも起こるものとして対策すべき段階にあると言えます。 災害対策においては、平時から万全の避難支援体制を構築することが重要です。それは、住民一人一人が主体的に避難行動を取り、いざとなれば近隣の住民同士が助け合って避難する自助・共助が基本となっています。 しかし、難病患者は健常者と異なり、自助や共助では十分な避難行動を取ることが困難です。患者の中には、運動麻痺や関節の運動障害などから自力での避難が難しい方や、避難できず停電の不安の中、在宅で人工呼吸器等を作動させ続けることを余儀なくされる方もおられ、医療的な知見に乏しい中での自助や共助による避難や介助には限界があります。 特に、いまだ終息の見えない新型コロナウイルス感染症は、人工呼吸器や経管栄養等の医療的ケアを要する難病患者において、基礎疾患や様々な合併症により重症化しやすい傾向にあるとの厚生労働省の見解もあるなど、その安全な避難をより困難なものとしています。 このため、私は、難病患者に対しては、自助・共助を基本とした通常の対策だけでなく、その特殊性を踏まえた特別の支援が必要だと強く感じています。 国の避難行動支援に関する取組指針では、市町村に対し、自ら避難することが困難で、特に支援を要する避難行動要支援者の名簿の作成を義務づけ、要支援者がその個別事情に応じて適切に避難行動を取れるよう、患者や自主防災組織等の避難支援関係者と連携した個別計画の策定を求めています。 県内には、要支援者として難病患者を明示していない市町もあり、難病患者を漏れなく把握できているのか疑問ですし、個別計画も実際の避難行動を患者や避難支援関係者に委ねている状況です。そして、防災対策の基本である市町や県の地域防災計画にも、難病患者の特殊性に配慮した避難の支援方針までは言及されていません。 難病患者の避難行動支援は、居住地域にかかわらず、県全域で対応が求められる喫緊の課題です。大規模災害が当たり前となり、コロナの脅威にさらされている今日、旧来の考え方や手法、役割分担にとらわれず、県がリーダーシップを取って、市町とともに患者や避難支援関係者、医療関係者等と連携した実効的な避難支援体制を構築すべきではないでしょうか。 そこでお尋ねします。いまだコロナが終息せず、集中豪雨や台風など本格的な出水期を迎えようとしている今、一層困難さを増す難病患者の避難支援について、県は、その特殊性、支援の必要性・緊急性に鑑み、市町とともに主体的に取り組むべきであり、医療関係者とも連携した避難支援体制の構築や人工呼吸器のバッテリー助成など、難病患者の迅速、安全、円滑な避難や、被災時の安心な療養をサポートする特別の支援を市町と連携して検討すべきと考えますが、今後どのように取り組まれるのでしょうか、県の御所見をお伺いします。 最後に、新型コロナウイルス感染症への対応について、地域の声を聞いての思いを申し上げます。 様々な業種の方から、いつまでも自粛では潰れてしまうとの声をお聞きすることが、これまで以上に増えています。特に飲食店では、感染予防のための様々な工夫、できる限りの努力をしても客足が戻らないとのことであり、この状況が続けば、身近な生活圏から施設も店も消えてしまい、地域経済も立ち行かなくなります。 今回の補正予算には、感染拡大防止対策に取り組む飲食店や頑張るお店を応援する予算等が盛り込まれていますが、人目を気にする自粛ムードや感染に対する漠然とした不安感などから、飲食店の利用が控えられている面があります。 ついては、飲食店における感染予防対策はどうなっているのか、新しい生活様式での外食や飲み会とはどのようなものか、飲食ではどのようなことに気をつければいいのか、そのことを分かりやすく伝えることができれば、県民の皆様の理解も行動も進むのではないかと思います。 例えば新しい生活様式での外食や飲み会を知事自らが実践され、会食の様子を報道陣にも公開し、感染防止対策を徹底して皆さんを迎える体制を整えている店がたくさんあるので、安心して利用してほしいと、広く県民に呼びかければ効果的ではないでしょうか。 今後は、あらゆる場面において、感染予防を取り入れた新しい生活様式をつくり、みんなで実践していかなければなりません。これは全国的な課題です。 しかし、東京と山口県では、感染状況も人の密集度も異なり、都会と田舎で全く同じ生活様式を取ることは合理的ではありません。地域の実情に合った、山口県にふさわしい新しい生活様式をつくり、県民の理解を得ながら本来の生活リズムに戻していくことが、取組を長続きさせ、実効性のあるものとするために大事だと思います。 知事には、感染予防対策は絶対に怠らない。その上で、新時代にふさわしい、持続可能な日常生活のモデルをここ山口県でつくり上げていくとの覚悟の下、その実現に向けた取組を先頭に立って力強く進めていただくよう要望し、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 有近議員の御質問にお答えをします。 最後にお話のあった点については、新しい生活様式の定着、今回の予算でも飲食店等の取組について紹介したりとか、様々なことはしますけれども、どのような形で取組ができるのかというのは、引き続き考えていきたいと思います。 御質問のあった中で、柳井地域の道路整備の推進についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の地方創生の推進に当たりまして、「活力みなぎる山口県」を実現していくためには、その基盤となる道路網の整備を重点的かつ計画的に進めていくことが重要と考えており、維新プランの重点的な施策に位置づけて取り組んでいます。 とりわけ、柳井地域は、高速交通体系から外れていることに加え、お示しのように半島・島嶼部特有の複雑な地形であることから、広域交通拠点へのアクセス強化や身近な生活道路の整備を進めています。 先日も、有近議員はじめ、柳井地域の皆様から御要望をいただいたところであり、引き続き積極的にその整備に取り組むこととしています。 具体的に、まず国道百八十八号柳井・平生バイパスについては、御案内のとおり、地元関係各位の長年にわたる要望活動の結果、本年四月に新規事業化され、現在、国により、工事着手に向けた調査等が進められています。 県としては、早期完成に向け、引き続き地元市町と連携して、整備促進を国に強く訴えるとともに、地域の安心・安全や利便性の向上に資する関連道路の整備をはじめ、事業の円滑な推進に向けた環境整備に積極的に取り組む考えです。 次に、柳井玖珂間を結ぶ道路の高規格化については、現時点では十分な整備効果が確認できないことから、その整備の在り方を検討するとともに、現道の安全対策等を進めてまいります。 次に、県道柳井上関線伊保庄バイパスについては、事業効果を早期に実現させるため、これまでも段階的に供用を図ってきたところです。 現在、残る三・二キロのうち、通学路の安全確保や救急活動の迅速化につながる北側の二キロ区間について、来年度中の供用を目指して工事を精力的に進めているところであり、引き続き全線の早期完成に向け事業を推進してまいります。 私は、将来にわたって、活力に満ちた産業や活気のある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らすことができるよう、柳井地域の道路網の整備をはじめとした山口の道づくりを着実に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 阿部土木建築部長。    〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 ◎土木建築部長(阿部雅昭君) 柳井市をはじめとした県内のまちづくりの推進についてのお尋ねにお答えします。 人口減少少子高齢化が進行する中、将来にわたって活力ある地域を維持するためには、住宅や福祉・商業施設等を一定の区域に集約するとともに、これらの区域を結ぶ利便性の高い公共交通網を形成することにより、快適でにぎわいのあるまちづくりを進めることが重要です。 このため、県では、市町が都市全体を見渡して、居住及び都市機能の誘導区域の設定や、空き家、空き店舗の利活用、中心市街地の活性化などの誘導策等を取りまとめた立地適正化計画の策定と、その具現化に向け、様々な支援を行ってきたところです。 具体的には、まず、計画の策定に当たっては、アドバイザーの派遣や各市町の協議会への参画のほか、官・民・学で構成される山口県立地適正化計画研究会の開催等により、助言や情報提供を行ってまいりました。 こうした取組により、周南市など六市が計画策定を完了したところであり、策定中の柳井市など三市をはじめ、未策定の市町に対し、引き続き支援をしていくこととしています。 特に柳井市にあっては、県作成の広域連携ガイドラインも活用しながら、全国でも先進的な取組として、隣接する町と連携した柳井広域都市圏の立地適正化方針の策定に着手されたところであり、県の役割でもある広域調整の観点からも、きめ細かな助言や情報提供を行ってまいります。 次に、計画の具現化に向けては、市町との適切な役割分担の下、県が担うべき事業を着実に進めていくこととしています。 例えば周南市内において、二つの都市機能誘導区域を結ぶ中央通り線の整備を、山口市内において、交通結節点である新山口駅へのアクセス道路となる新山口駅長谷線の整備を進めてきたところです。 県としましては、今後とも、こうした取組を通じ、柳井市をはじめとした県内市町のまちづくりを、ソフト・ハード両面にわたり積極的に支援してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 県産花卉の振興についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症拡大により、花卉生産者の経営に深刻な影響が生じていることから、生産者の経営継続と需要喚起の両面から本県独自の対策に取り組むこととしています。 まず、生産者の経営継続に向けては、売上げが大幅に低下した方を対象に、コストが高い花卉生産の特性を踏まえ、種苗費など次期作に必要な経費を支援するとともに、需要動向に応じた品目変更等に対し、きめ細かな指導・助言を行います。 また、国の持続化給付金や制度資金などの経営支援策については、生産者が確実に活用できるよう、JAや農林水産事務所等に設置した相談窓口において申請のサポートを行うなど、生産者に寄り添って支援します。 次に、需要喚起に向けては、県産花卉の魅力を発信するため、家庭における花の楽しみ方の動画配信やSNSを活用したPRに取り組むとともに、学校や駅など約五百か所において、県産花卉の展示を行うこととしています。 さらに、お示しの保育園等に県産花卉を提供する取組については、子供たちに花のある暮らしの豊かさを実感してもらえるよう、対象施設を拡充して実施します。 また、生産者を応援するキャンペーンとして、花市場等と連携し県産花卉の割引販売を実施するなど、本県が誇る食材や日本酒等と一体的に需要回復、拡大に向けた取組を展開します。 県としては、花卉生産者が安心して生産に取り組めるよう、関係団体等と緊密に連携し、県産花卉の経営継続と需要回復に積極的に取り組んでまいります。 次に、若者や女性など新たな農業従事者の確保についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化が進む中、本県農業を持続的に発展させるため、新規就農者の安定的な確保に向けた日本一の担い手支援策を推進しており、定着支援給付金等に加え、技術習得から住宅確保までをパッケージで支援する取組を重点的に展開しているところです。 こうした中、お示しのとおり、農地などの経営資源を一括して譲りたい農業者が増える一方、子育て世代の若者や女性など生産基盤のない移住就農希望者が増加していることから、両者をマッチングさせる取組が重要です。 このため、新たに、やまぐち農林振興公社にコーディネーターを配置し、支援体制を強化した上で、離農予定者の情報把握と経営継承希望者へのサポートにより、円滑なマッチングを進めます。 具体的には、離農予定者について、アンケート等の活用による掘り起こしを進め、戸別訪問等により譲渡可能な資産や条件などの情報を蓄積し、関係者で共有できる仕組みを構築します。 また、継承希望者に対しては、離農予定者の情報提供に加え、両者の話合いや対象農場での事前研修のサポートを行うほか、就農セミナー等を活用し、先輩農業者が経営継承の体験を伝える取組等を進めます。 さらに、就農後も安心して生活できるよう、地域の女子会などネットワークづくりを進めるとともに、農業士協会等と連携し、経営から子育てまできめ細かな支援を行っていきます。 県としては、地域内外から多くの若者たちが就農し、定着できるよう、関係団体等と緊密に連携しながら、担い手支援日本一の取組を強化してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 子育て世代が安心して受診できる小児医療体制の確保についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染拡大による受診控えが懸念される中でも、子育て世代に安心して受診していただくためには、身近な地域の医療機関において感染防止対策を講じた診療体制を確保することが重要です。 このため、県では、医療機関における待合室の混雑を避けるための予約診療の導入促進や、患者の動線の混在を防止するためのパーティションの設置など、院内感染防止に係る設備整備等を支援することとしています。 また、ドアなど、多くの人が触れる部分の徹底した清拭や消毒など、感染防止に係る業務が大幅に増加することに伴い、追加的に必要となる人員配置のための経費を助成するなど、医療機関における感染防止に向けた取組を一層促進してまいります。 さらに、お示しの経営面については、経営に支障を生じている事業者を対象とした県の制度融資の活用等が図られるよう、ホームページで周知するとともに、国に対し、知事会等を通じて、医療機関に対する中長期的な財政支援を求めているところです。 県としては、こうした取組を通じ、新型コロナウイルス感染拡大が懸念される中でも安心して子育てができるよう、小児医療体制の確保に積極的に取り組んでまいります。 次に、災害時における難病患者の支援についてのお尋ねにお答えします。 難病患者は、移動や療養に当たって配慮すべき点が多いことから、災害時においては、行政と医療・福祉関係者等が連携して、患者の状態に応じた適切な支援を行うことが重要です。 このため、県では、保健所ごとに、市町及び医療・福祉関係者、患者会等で構成する難病対策地域協議会を設置し、避難支援体制の構築や、災害時における継続的な在宅療養への支援に向けた取組を進めることとしています。 まず、避難支援体制の構築については、迅速かつ円滑に避難行動が取れるよう、市町における避難行動要支援者名簿の作成を支援するとともに、平時から関係者の役割分担や連絡方法等について情報共有を図っているところです。 特に医療ニーズや介護度が高い、人工呼吸器等を使用する難病患者については、患者ごとに避難時に必要な医療機材や避難方法等を定めたマニュアルを作成するとともに、患者や関係者が参加する避難訓練を実施し、避難の手順や関係者の役割を確認するなど、支援体制の充実に取り組んでまいります。 次に、継続的な在宅療養については、医療・福祉関係者が連携して在宅での療養を支援する必要があることから、関係者の連絡先や必要なケアの内容等を記載した緊急時連絡カードを作成するとともに、医療・福祉関係者を対象とした災害支援に関する研修の充実に努めているところです。 さらに、万が一、自宅が停電になった場合でも人工呼吸器が使用できるよう、かかりつけの医療機関が患者に貸し出すための非常用電源等の整備に対する支援に引き続き取り組んでまいります。 県としては、今後とも、市町や医療・福祉関係者等と緊密に連携し、災害時における難病患者の支援の一層の充実に取り組んでまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時二十五分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(藤生通陽君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第三号まで及び第五号から第十一号まで ○副議長(藤生通陽君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第三号まで及び議案第五号から第十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 畑原勇太君。    〔畑原勇太君登壇〕(拍手) ◆(畑原勇太君) 皆様、こんにちは。自由民主党の畑原勇太です。 本定例会の一般質問で最終登壇の栄を賜りました。登壇の機会を与えていただきましたことに感謝申し上げます。 さて、今年の七月は、本来であれば、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開幕を迎えて、世界の視線が日本に注がれ、日本中がオリパラ一色に染まっているはずでしたが、新型コロナウイルス感染拡大により世界は一変しました。 しかしながら、安倍総理は、緊急事態宣言が全都道府県で解除された五月二十五日の記者会見で、日本ならではのやり方で、僅か一か月半で流行をほぼ収束させることができた。日本モデルの力を示したと述べられました。 爆発的な感染拡大が発生した欧米では、長期にわたるロックダウン、都市封鎖が行われていた国もありますが、日本では、罰則を伴う強制的な外出規制等を行うことはできないため、自粛という言葉のとおり、国民一人一人が自ら進んで三つの密を避けて行動を慎んできました。 その結果、日本の感染者数や死亡者数は、主要先進国の中でも圧倒的に少なく抑え込むことができ、国連のグテーレス事務総長が、日本の感染症への対応は世界において卓越した模範であるとして、前例のない未曽有の事態の中で、安倍総理のリーダーシップの下で取り組まれてきた日本の対策が高く評価されたことは、私は率直に評価したいと思いますし、日本国民として、山口県民として、そして自由民主党の一員として大変誇らしい思いです。 一方で、私は、ただ一つの感染症の拡大が、世界中の人々の暮らしにここまで深刻なダメージを及ぼすことを想像だにしていませんでした。世界が、日本がいまだ危機の中にありますが、今の苦労や努力が報われ、コロナ前とは違う、全く新しい価値観で生きていく時代がやってきます。これは、発想を変え、新しい生活様式の中で新しい日常をつくり上げていかなければなりません。 二年前の初登壇でも申し上げましたように、困難な時代だからこそ求められるものは、明日を開く夢であり、夢を実現する力だと思いますので、私は、次代の山口県を担う世代の一人として、夢と実現力を信条に、岩国・和木地域、そして山口県のために引き続き全力で頑張る覚悟であることを申し上げ、通告に従い質問させていただきます。 まず、米軍岩国基地との共存を前提としたまちづくりについて、三点お尋ねします。 一点目は、基地交付金についてです。 私は、岩国・和木地域をはじめとする県東部地域の大きな課題である岩国基地に関する諸問題については、地元選出の県議会議員の立場から、そして基地議連連絡協議会の幹事長という立場から、その解決に向けて、誰よりも大きな責任を負っているとの自覚を持って取り組んでいるところです。 とりわけ、基地交付金については、父から受け継いだ遺志を胸に、住民生活の安心・安全の確保、基地周辺地域の発展に向けて並々ならぬ思いを持っています。 岩国基地に関する交付金のうち再編関連特別地域整備事業、いわゆる県交付金は、国の防衛政策に協力する観点から、また沖縄の著しい基地負担を軽減する観点から、基地反対を訴えるばかりではなく、米軍岩国基地があるという現実を受け入れるとともに、それによってこれからも続く地域と住民の負担という現実に目を向け、国に必要な対応を求め、基地を抱え続ける負担を国策への貢献に見合う地域振興策として、その創設を求めてきた経緯があります。 これまで、産業や生活の基盤となる道路、港湾の整備をはじめ、岩国錦帯橋空港などの観光交流施設の整備等に有効に活用されており、基地周辺地域の発展に確実につながっているものと考えています。 この県交付金の創設をはじめ、岩国基地問題への対応に大きな役割を果たしてきたのが、山口県と基地周辺二市二町の基地議連で組織する岩国基地問題議員連盟連絡協議会であり、国に対して、これまでも一貫して、岩国基地に係る安心・安全対策と地域振興策の実施を要望してきたところです。 先日、河野防衛大臣が岩国市を訪問された際にも、この協議会の立場から、代表である柳居議長、副代表である槙本先生らとともに河野大臣と面談しました。 その中で、私からは、県交付金について、地元のニーズに対応した、より使いやすい交付金となるよう、柔軟な事業採択など制度の運用改善について、率直に河野大臣に要望させていただきました。 河野防衛大臣からは、しっかり取り組んでいく旨の御回答をいただき、心強く感じているところですが、連絡協議会として、これをより確かなものとするため、本日この後、岩国市において連絡協議会を開催した上で、国に対して特別要望を実施していきたいと考えています。 このように、地域の未来を思い活動してきた連絡協議会の役割は、今後も変わることはありませんし、基地周辺地域の住民や地元市町が、空母艦載機の移駐等により、ほかの再編関連地域とは比較できないほどの大きな負担を受け入れ、今後も抱え続けていくことになる状況に鑑みれば、その役割はますます重要性を増していくものと考えます。 県執行部には、こうした連絡協議会の役割や活動、県交付金の趣旨や創設の経緯等を踏まえ、今後も連絡協議会との強力な連携により、基地問題の解決に全力で取り組んでいただきますよう、改めて強くお願いしておきます。 また、国策に協力する地元市町に対して国から交付されている再編交付金が、令和三年度末をもって終了する予定となっており、住民からは、基地との共存を掲げたまちづくりの取組が立ち行かなくなるのではないかといった不安の声も多く伺っています。 さきに述べた河野大臣との面談において、柳居議長が連絡協議会の代表の立場から、再編交付金の充実拡充を要望されたところであり、今後も、その実現に向けた取組を強力に進めていかなければなりません。 そこでお尋ねします。県では、基地交付金の充実拡充と、それを活用した基地周辺地域の振興について、連絡協議会との連携により、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 二点目は、県立武道館を中心とした県東部地域のスポーツ交流の推進についてです。 スポーツ界は今、新型コロナウイルスの影響で大変厳しい状況にあります。東京オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、プロ野球やJリーグの開催延期、夏の甲子園や大相撲夏場所の中止など、人生をも左右するような大きな影響を生じています。無観客試合など新しい形で開幕や再開を迎えつつある競技や大会もありますが、厳しい状況にある今だからこそ、人々に勇気と活力を与える、スポーツが持つ力が意味を持つのであり、改めて県立武道館の実現に向けて取り組んでいかなければならないと感じています。 私は、ちょうど二年前、岩国市長や市議会議長、市体育協会の方々とともに、県立の武道館の建設について要望させていただき、六月定例会の一般質問の中でも、早期整備に向けた取組の加速化をお願いいたしました。 その後、県では、岩国基地に係る県交付金を活用して調査検討を進められ、今年度当初予算に基本計画策定のための予算を計上されているところであり、これまでの県執行部の取組を評価しています。 人口減少少子高齢化の進展により、今後の行政運営はますます厳しさを増すことが予想されますが、そうした中で、行政として、県民のスポーツに対するニーズに幅広く対応していくためには、今ある施設を有効活用するだけでなく、地域の熱い思いやニーズを踏まえ、財源にめどを立て、将来を見据えた新たな投資を行っていくことも重要であると考えます。 県東部地域は、柔道や剣道などの武道が、国体など全国大会に出場する選手を輩出するほどのレベルで、幅広い世代の方々が熱心に活動されており、こうした岩国地域の実情や県内における武道館の配置状況等を踏まえれば、武道の拠点となるべき県立武道館の整備はぜひとも必要であり、県東部地域における武道の振興だけでなく、交流の促進、地域の活性化にも大いに資するものと期待しています。 特に岩国地域は、これまでも日米親善リレーマラソンや日米交流ミニ運動会など、スポーツを通じた日米交流が積極的に進められており、今後整備される武道館は、その拠点の一つとして、地域の期待はとても大きいものがあります。 今後は、新型コロナウイルスの影響から、国際交流の在り方や進め方が新しい形に変わっていく可能性がありますが、岩国・和木地域においては、将来にわたって基地との共存共生が続くことになりますので、新型コロナウイルスで閉塞感のある今こそ、県立武道館の早期整備に向けた取組を、目に見える形で進めていただきたいと考えています。 そこでお尋ねします。今後、県立武道館の整備にどのように取り組み、これを県東部地域におけるスポーツ交流の推進にどのように生かしていかれるのか、御所見をお伺いします。 三点目は、岩国・和木地域の道路網の整備についてです。 私は、道路は地域の命、活力の源との思いを胸に、地域の皆様の声をしっかりと受け止め、岩国・和木地域の幹線道路から生活道路に至るまで、道路整備の必要性をきめ細かく訴えてきました。 そうした取組のかいもあり、本年三月、岩国市民にとって長年の悲願であった県道岩国大竹線森ヶ原バイパスが開通しました。 新型コロナウイルスの影響で、残念ながら開通式は中止となりましたが、このバイパスの開通により、これまで我々が長年にわたり取り組んできた岩国環状道路が概成され、岩国インターチェンジや新岩国駅、岩国錦帯橋空港等の広域交通拠点へのアクセス性が大幅に向上するとともに、市街地の渋滞緩和にも大きな効果を発揮しており、市民一人一人がこのバイパスの利便性を実感しているところです。 このように、森ヶ原バイパスをはじめ、岩国・和木地域の道路網の整備は、国や県のこれまでの取組により、目に見える成果を上げていると実感していますが、依然として市街地の幹線道路では、慢性的な渋滞や悪天候時の通行規制等の課題があり、また、中山間地域の道路では、通勤や通学、通院など、住民の日常生活の中で車が主要な交通手段となっているにもかかわらず、幅員が狭く、すれ違いが困難で、カーブや勾配が急な箇所があるなど、常に危険と隣り合わせで不安を感じたまま通行することを余儀なくされており、早期整備が望まれている箇所が数多くあります。 具体的には、国道二号線岩国大竹道路や国道百八十八号藤生長野バイパス、県道岩国大竹線、和木町関ケ浜から岩国市小瀬地区、県道岩国美和線阿品地区等の整備を重点的に進めていく必要があると考えます。 とりわけ、中山間地域においては、住民生活の利便性向上や産業活動の高度化を図る上で道路の整備は必要不可欠ですが、既存の費用対効果分析では投資効果が低いと評価され、地域が早期整備を熱望しても、予算が限られ、事業が思うように進捗していないというのが実情です。 こうした中山間地域の道路整備にこそ、県が実施する予算に加え、防衛省の再編関連特別地域整備事業を活用して集中投資を行い、早期整備すべきであると考えます。 そこでお尋ねします。企業の経済活動や地域産業の振興を支え、地域の活性化や住民生活の利便性向上、災害に強い基盤づくりにも資する岩国・和木地域の道路の整備について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、5G等を活用した産業競争力の強化についてお尋ねします。 本県の瀬戸内海沿岸には、コンビナートを中心に製造業をはじめとする数多くの企業が集積し、本県経済を支える屋台骨として、全国でも有数の産業集積を形成しています。 Society5・0という新たな経済社会を迎えようとする中、本県の財産であるこうした企業が生産性を向上させ、製品等の付加価値を高め、本県産業の競争力強化につなげていくためには、5GやAIなどの未来技術の活用を強力に推進していくことが重要です。 県では、今年度、AI、IoT、5G等の未来技術の活用を施策推進の重点項目に掲げ、産業をはじめ様々な分野での社会実装に取り組むこととされており、四月には、NTT西日本とローカル5Gに関する協定を締結し、スマートファクトリーやスマートコンビナートの取組をスタートされるなど、本県の次の時代を見据えた取組が始まっています。 一方で、新型コロナウイルスの感染予防のため、新しい生活様式の実践として、三密を回避しながら、非接触や省人化による事業継続へのニーズも高まっており、コロナ禍をきっかけとして、未来技術の活用が国内外で加速的に進むことも予想されます。 先般、岩国市美和町をフィールドとして、僻地医療の遠隔サポートに5Gを活用する実証事業がスタートしましたが、こうした未来技術の社会実装は、成功や失敗を繰り返し、試行錯誤を積み重ねて進んでいくものだと思いますので、期待感は持ちつつ、しっかりと評価も行いながら推進していく必要があると思います。 こうした未来技術の活用を進める上で重要となるのが、人材の確保と育成です。 先月、ホンダの社内ネットワークシステムがサイバー攻撃を受け、世界各地の九つの工場で操業停止に追い込まれたというニュースが伝えられました。 新型コロナウイルスの影響から、在宅勤務など働き方が変化する中、新しい技術により世界中の工場や従業員がつながることで企業活動が継続され、生産性が向上する一方、サイバー攻撃のリスクやセキュリティー対策の重要性がますます高まり、それを担う人材の確保と育成が間に合わない懸念があるとされています。 5Gやローカル5Gなどの技術を県民生活や社会経済活動に定着させるためには、生産性の向上やイノベーションの観点からはもちろん、リスク管理の観点からも、人材の確保と育成が欠かせないと考えており、本県においても、こうした人材の確保・育成に一層力を入れていく必要があると考えます。 そこでお尋ねします。5G・ローカル5Gなどの未来技術活用による本県の産業競争力の強化に向け、今後どのように取り組まれるのか、また、こうした技術を活用できる産業人材の確保・育成にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、新型コロナウイルスにより影響を受けた農業への支援についてお尋ねします。 商売の世界には三方よしという有名な言葉があります。これは、近江商人が大切にしてきた言葉であり、信頼を得るためには、売手と買手がともに満足し、さらに社会貢献もできることが大切であるということを示しています。現在では、ウィン・ウィンの関係という言葉で表されることも多くなっていますが、根底にある考え方は今も昔も変わりません。 農業の分野においても、生産者が食品メーカー等と連携して農産物の価値を高め、そしてお客様に喜んでいただく商品を生み出すという取組が大きく広がっています。 その中でも、この三方よしという言葉をまさしく表しているのが、酒米と日本酒の関係ではないかと思います。 本県では、全国で唯一、十二年連続で日本酒の出荷量が増加しており、今では日本酒と言えば山口と言われるほどの全国有数の酒どころとなっています。これは、若者の酒離れなどを背景に国内の日本酒生産量が減少を続ける中、県内の酒蔵の皆さんが、県産の酒米を使用した品質の高い酒造りやブランディングを行い、東京や大阪などの大都市圏、さらにはアメリカ、アジアなど海外に向けて出荷量を伸ばしてきた結果であります。 私の暮らす岩国市においても、酒造りに適した清流錦川の豊富な水に恵まれたことで、古くから酒造りが盛んであり、五つの酒蔵がこうした地域の資源を生かした品質の高い酒造りに取り組まれています。 しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により状況は一変しました。イベントの中止や飲食店の休業等により日本酒の消費量は大幅に減少したことで、原料となる酒米の需要も急減しました。そして、これまで酒造会社と生産者の信頼関係の中で順調に取引が拡大してきた酒米生産量も減らさざるを得ない状況となっていると聞いています。 酒米は、昼夜温の高低差が大きいという中山間地域の特性を生かして栽培される代表的な品目であり、酒米生産の縮小は中山間地域農業の衰退に直結すると言っても過言ではありません。 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として新たな生活様式の実践が求められ、お酒の楽しみ方が大きく変わる今こそ、私は、我が国の食文化の一つとも言える日本酒産業をしっかり支えていくことで、酒米生産の拡大や中山間地域農業の活性化につなげていかなければならないと考えます。 そこでお尋ねします。本県中山間地域農業のモデルとも言える酒米生産者と酒造会社の関係をさらに強固にし、酒米生産拡大の流れを止めることのないよう、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。 最後に一言申し上げます。 本定例会は、新型コロナウイルス感染防止対策を最優先に、同時に深く傷ついた社会経済の回復に向けて、大きくかじを切っていくための補正予算について審議する重要な議会です。 緊急事態宣言が続く四月三十日に開催された県議会臨時会では、県民の生活と生命を守るために必要な当面の対策として、県民の皆様の暮らしや産業などを支える補正予算を措置したところですが、補正予算案に対する質疑の中で、我が会派は、県民、事業者の不安を解消するためのメッセージ、県民、事業者に寄り添った対策としては、質・量ともにまだまだ不十分、事態収束後の反転攻勢に向けた需要喚起と社会変革の推進の部分がすっぽり抜け落ちていると、執行部に対してかなり厳しい指摘を行いました。 また、苦渋の選択として、改革期間四年目に入った行財政改革の取組を一旦凍結し、新型コロナウイルス対策と社会経済活動の回復に全力を傾注することも提案しました。 長期戦も想定される新型コロナウイルスとの闘いと私たちの生活を両立させるため、日常生活や経済活動等に多大な影響を受けられておられる県民、事業者の皆様が安心して希望を持って前に進んでいくことができるよう、現下の厳しい状況に寄り添った、でき得る限りの対応を講じていかなければなりません。 そうした観点から、本定例会に提出された補正予算案は、過去最大となる総額二千百三十二億円と再拡大期への対策に加え、県内経済の下支えと回復に向けた取組、新しい生活様式に対応した社会変革の推進などが盛り込まれ、質・量ともに必要かつ十分な措置が講じられているものと評価しています。 来週の常任委員会でも、引き続き新型コロナウイルス関連を中心に、補正予算案や執行部の取組についてしっかり審議していかなければなりませんが、我々が今立ち向かうべきは、新型コロナウイルス感染拡大と、それにより甚大な影響を受けている県民の生活と経済の回復です。そのためには、山口県が一丸となり、新型コロナウイルスと共存する持続可能な社会をつくり上げていかなければなりません。 事態の収束はまだまだ見通せませんが、県民を代表する県議会の立場から、時に意見し、具体的な提案や提言もさせていただきながら、執行部、そして県民の皆様とともに、この危機を乗り越えていく覚悟であることを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 畑原議員の御質問にお答えします。 まず、米軍岩国基地との共存を前提としたまちづくりについてのお尋ねのうち、基地交付金についてです。 基地周辺地域は、基地の存在により様々な制約を受けており、さらに、空母艦載機の移駐により増加した騒音などの負担を今後も抱え続けていくことになります。 こうした地域の実情を踏まえ、これまで、地元市町や基地議連とともに、住民の不安解消につながる安心・安全対策や負担と貢献に見合う地域振興策が目に見える形で実現するよう、国に対して繰り返し要望してきたところです。 その成果として、お示しのように県交付金が創設され、増額やソフト事業への対象拡大などの措置が図られました。 私は、県交付金については、引き続き基地議連と十分な連携の下、国による確実な予算措置と制度の運用改善を求め、岩国・和木・大島地域の発展と地域経済の活性化に資するよう、地元のニーズに対応した施策をしっかり実施していく考えです。 また、令和三年度で交付が終了する市町再編交付金については、訓練移転などの一時展開ではなく、部隊の移駐を受け入れたという地元市町の多大な負担と貢献に見合った交付金制度の継続が不可欠です。 地元市町からは、単なる激変緩和措置ではなく、恒久的な制度として、これまでと同様の十分な財源措置や制度内容の早期提示を求める意見があります。 こうした地元の思いをしっかりと国に伝え、要望内容の実現を図るため、基地議連の皆様や地元市町長とともに、県交付金の措置と併せて特別要望を実施するなど、今後、あらゆる機会を通じて積極的に国に働きかけてまいります。 私は、引き続き地元市町や基地議連と一体となって、基地交付金制度が一層充実され、基地周辺地域のさらなる発展につながるよう全力で取り組んでまいります。 次に、5G等を活用した産業競争力の強化についてのお尋ねにお答えします。 5G等の未来技術は、物やサービスの生産性や利便性を高め、産業や生活等の質を飛躍的に向上させるものと期待されます。 また、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた、非接触、省人化など新しい生活様式への対応としても、その技術の活用による可能性が広く認識されてきています。 私は、人口減少少子高齢化が進む中で、本県の活力を維持・創出するためには、地域の活力源である本県産業の競争力を強化していくことが極めて重要であり、そのためには5G等の未来技術を積極的に活用することが不可欠と考えています。 このため、県の第二期総合戦略に、Society5・0の実現に向けた新たな社会システムづくりを掲げ、5G等未来技術の活用による産業競争力の強化に取り組んでいるところです。 まず、5Gを本県にいち早く導入するためには、通信事業者との連携の下、広くモデルとなる事例を創出することが重要であることから、NTTドコモとの連携協定に基づき、県立総合医療センターと僻地医療機関を5Gでつなぐ、遠隔サポートシステムの実証実験を進めることとしたところです。 産業分野における導入に向けては、企業が独自にネットワークを構築できるローカル5Gの活用モデルを創出するため、四月にNTT西日本と連携協定を締結したところであり、省人化・無人化工場の実現を目指した、全国的にも先駆的な実証実験がスタートします。 また、今年度創設した、やまぐちスマートファクトリーモデル構築事業により、AI等を活用した設備等の異常検知など、製造現場の高度化に向けたモデルを構築します。 これらの取組により創出する先導的モデルについては、その効果や課題を評価・分析し、成果を広く県内企業に普及していきます。 さらに、大手IT企業等で構成するIoT導入サポーター制度を活用し、企業ニーズに応じた技術的アドバイス等の個別支援を行います。 また、未来技術の活用に向けては、お示しのとおり、専門の知識や技術を有する人材の育成・確保が不可欠です。 このため、山口大学が開講するデータサイエンティスト育成講座の受講支援や、県産業技術センターに整備したIoTビジネス創出支援拠点での技術交流、さらにはセミナーの開催等を通じて、企業の人材育成に向けた取組を支援してまいります。 また、県独自の奨学金返還補助制度を活用し、高度専門知識を有する理系産業人材の確保に引き続き取り組みます。 私は、こうした取組を通じて、5G等の未来技術の積極的な活用を促進し、本県経済を牽引する製造業等の生産性や付加価値の向上による産業競争力の強化に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(藤生通陽君) 三坂観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 県立武道館を中心とした県東部地域のスポーツ交流の推進についてのお尋ねにお答えします。 県東部地域における県立武道館については、大規模な大会の誘致・開催や競技の普及、競技力の向上を図る上で必要な施設として、これまで、岩国市をはじめ地元からの強い要望を受け、その整備に向けての検討を進めてきました。 県では、検討のさらなる前進を図り、整備を具体化させるため、今年度、基本計画を策定することとしています。 この計画では、施設の基本的な整備方針を決定するとともに、策定を通じて、「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」における、スポーツを活用した地域活性化の方向性に沿った施設の活用方策を検討していくこととしています。 まず、施設の整備方針については、今後、県や地元岩国市、競技関係団体等で構成する基本計画策定委員会を設置し、関係者の意見を聞きながら、施設の機能や規模、事業スケジュールなどを計画に位置づけてまいります。 また、活用方策としては、武道等の競技力の向上だけでなく、スポーツを通じた日米交流の拡大や武道館を核としたまちづくりなど、お示しの交流促進や地域活性化にも資する幅広い取組を検討していきたいと考えています。 県としては、スポーツの振興や県東部地域のさらなる活性化が図られるよう、引き続き地元岩国市や関係団体等としっかりと連携しながら、県立武道館の整備を着実に進めてまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 阿部土木建築部長。    〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 ◎土木建築部長(阿部雅昭君) 米軍岩国基地との共存を前提としたまちづくりについてのお尋ねのうち、岩国・和木地域の道路網の整備についてお答えします。 岩国・和木地域では、お示しのとおり、市街地では慢性的な渋滞が発生し、中山間地域では幅員が狭く、カーブや勾配が急な箇所が多くあることなどから、県としても、これらを解消するための道路整備を推進していく必要があると認識しています。 このため、市街地では、国と連携して、国道二号岩国大竹道路や国道百八十八号藤生長野バイパスなどの基幹道路の整備を促進するとともに、環状道路の一部を形成する県道岩国大竹線の和木町関ケ浜から岩国市小瀬までの間の整備などに取り組んでいます。 また、中山間地域では、地域間の交流・連携に資するとともに、地域住民の日常活動の基盤となる国道四百三十四号の宇佐地区や県道岩国佐伯線の亀尾川地区の整備などに取り組んでいるところですが、依然として未整備区間が多く残っています。 このため、再編関連特別地域整備事業を活用しながら、地域の住民生活の利便性向上及び産業の振興に寄与する道路の整備を推進していく考えです。 具体的には、大規模災害時等において国道百八十七号の代替機能も有する県道徳山本郷線の尾崎地区や県道岩国美和線の阿品地区、県道岩国錦線の多田地区の整備などを積極的に進めてまいります。 県としては、今後とも、地域の活力創出や県民の安心・安全の確保を図るため、岩国・和木地域はもとより、県内全域の幹線道路から地域に密着した生活道路に至る道路網の整備を計画的かつ着実に推進してまいります。    〔阿部土木建築部長の発言中、藤生副議長に代わり、柳居議長が議長席に着く〕 ○議長(柳居俊学君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 新型コロナウイルスの影響を受けた農業への支援についてのお尋ねにお答えします。 本県では、県産米を積極的に活用した酒造りが行われており、こうした酒造会社の取組を農家所得の向上や中山間地域の活性化につなげるためには、酒米の生産拡大と日本酒の需要拡大に一体的に取り組むことが重要です。 このため、県酒造組合やJA等と連携し、品質の高い本県の日本酒を国内外に向けて売り込むとともに、中山間地域を中心に酒米の増産や品質の向上に取り組むことで、近年では、酒造会社の要望に応える生産量や品質を達成しているところです。 こうした中、新型コロナウイルス感染症拡大による日本酒販売量の減少が酒米の需要低下を引き起こし、生産者の意欲や経営に深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。 このため、生産者と酒造会社が一体となってこの難局を乗り越えられるよう、酒米生産の維持・拡大と日本酒の需要喚起に取り組むこととしています。 まず、酒米生産の維持・拡大に向けては、酒造会社からの要望に応え、緊急的に酒米から主食用米等に品種切替えを行った生産者に対し、種子代や肥料代等の経費を支援するとともに、速やかな需要情報の提供や、きめ細かな技術指導を行うことで、今後の生産意欲の維持につなげてまいります。 また、品種切替えが間に合わなかった産地では、生産過剰が見込まれることから、酒米を当面必要な数量以上に購入する酒造会社に対し、その保管経費を支援することで、県産酒米の継続的な利用の促進を図ります。 次に、需要喚起に向けては、新たな生活様式で変化するお酒の楽しみ方にも対応できるよう、家庭需要をターゲットにしたネット販売サイトを構築するとともに、日本酒をはじめとした魅力ある県産品を応援するキャンペーンを展開していくこととしています。 県としては、酒米生産者と酒造会社が信頼関係をさらに強固にし、酒米の生産拡大が継続できるよう、引き続き関係団体等と連携して、生産と需要の両面から積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。   ──────────────────────    委員会付託の省略について ○議長(柳居俊学君) ただいま議題となっております議案第十一号の人事案件につきましては、委員会付託を省略をしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、議案第十一号の人事案件につきましては、委員会付託を省略することに決定をいたしました。   ──────────────────────    表 決 ○議長(柳居俊学君) これより議案第十一号 公安委員会の委員の任命について、同意を求めるの件を採決をいたします。 本案は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○議長(柳居俊学君) 起立全員であります。よって、議案第十一号 公安委員会の委員の任命について同意を求めるの件は、これに同意することに決定をいたしました。   ───────────── △日程第三意見書案第一号から第三号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第三、意見書案第一号 地方財政の充実・強化を求める意見書、意見書案第二号 台湾の世界保健機関(WHO)への参加を求める意見書及び意見書案第三号 知的障害児入所施設の職員配置基準等の改定を求める意見書を議題といたします。 意見書案は、お手元に配付のとおりでございます。   ──────────────────────    提出者の説明の省略について ○議長(柳居俊学君) 意見書案につきましては、提案理由の説明を省略をしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、意見書案につきましては、提案理由の説明を省略することに決定をいたしました。   ──────────────────────    委員会付託 ○議長(柳居俊学君) これより委員会付託を行います。 議案第一号から第三号まで及び議案第五号から第十号まで並びに意見書案第一号から第三号までをそれぞれの所管の常任委員会に付託をいたします。 今期定例会において受理した請願は一件であります。これをお手元に配付の請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託をいたします。   ──────────────────────    委員会審査の期限について ○議長(柳居俊学君) ただいま常任委員会に付託をいたしました議案、意見書案及び請願につきましては、七月八日までに審査を終えるよう期限をつけることにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、議案、意見書案及び請願につきましては、七月八日までに審査を終えるよう期限をつけることに決定をいたしました。   ─────────────    休会について ○議長(柳居俊学君) 七月九日は、議事の都合により休会をいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、七月九日は休会をすることに決定をいたしました。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) 以上をもって、本日の日程は全て終了をいたしました。 本日は、これをもって散会といたします。    午後一時四十七分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   藤   生   通   陽                   会議録署名議員   吉   田   充   宏                   会議録署名議員   戸   倉   多 香 子...